moka(@mokapple)です。
私は社会人になってから、一般企業に就職した後、お金を貯めてカナダに短期留学に行ったことがあるのですが、薬剤師たるものどうしても海外のドラッグストアや薬が気になって仕方がありませんでした。
というわけで、今回は、薬剤師がカナダに留学に行って発見したもの、経験したことをお届けしたいと思います。
カナダののどアメを買ってみた
渡航してすぐに体調を崩し、咳が止まらなくなってしまいまったので、ショッパーズというカナダのドラッグストアチェーンで、のど飴を2種類購入しました。
左は、セパコールという薬用のど飴で、右はエキナセアという免疫力アップのハーブ配合のキャンディです。
セパコールなんて、日本では聞いた事もなかったので、気になって成分を調べると、
- セチルピリジウム塩化物という口腔殺菌消毒剤
- ベンゾカインという局所麻酔薬
が主な成分のようです。
セチルピリジウムは日本ではトローチ剤として販売されてるみたいですが、私は薬局では、あんまり見たことがないですね。。
結局ドラッグストアで買ったアメだけではどうにもならず、日本人向けのクリニックへ行くことにしました。
カナダの処方薬
処方されたのは、3種類。
左から、風邪薬、うがい薬、吸入器です。
左の赤色の容器には、薬がバラで入っています。
カナダでは、PTPではなくて、バラ錠での処方が一般的なんでしょうか。
中身は、
- プソイドエフェドリン
- イブプロフェン
の配合剤で、OTC薬にもよくある、ベンザブロックのような立ち位置だと思います。
真ん中のみどりのうがい薬は、「麻酔作用のあるうがい薬」と説明されましたが、使ってみると、確かに一瞬麻酔されたかのような感覚はありました。
成分名を見ると、「塩酸ベンジダミン」。
なにこれ、全然聞いたことがないのですが・・。
NSAIDSに分類される成分みたいなのですが、日本ではあまり一般的ではなさそうです。
一番右の吸入器はサルブタモール。
喘息気味ということで、処方してもらいましたが、使わずに済みました。
カナダの薬剤師とおしゃべり
やたらドラッグストアに出没して、OTCを見たりもしていました。
小さな薬局とかに行くと、熱心に薬を眺めている日本人留学生を不思議に思ったのか、店主のおじちゃんに話しかけられて、話が盛り上がったりもしました。
ドラッグストアを見た感じ、知らない成分の薬も多いけど、日本とそんなに大差はなさそうです。色が全体的に派手で、錠剤が大きそうではありますが。
そして、タイレノールに代表される、アセトアミノフェンがかなり主流の印象は受けました。
大き目のドラッグストアのチェーン店では、血圧計が置いてあったりも!
トロント大学でグッズ集め
トロントは、インスリンを発見した研究者がいた事で有名ですが、トロント大学の購買に医療系グッズがあると聞いて、忍び込んでみました。
あ、学生でなくても、もちろん自由に構内を歩けます。
それぞれの学部が書かれたパーカーがあったのですが、Pharmacyと書かれたパーカーを発見。
今思えば、買えばよかったのですが、テンションが上がってしまって、写真を撮って満足してしまいました。次訪れたら絶対買いたいですね。
医療系の本もあり、ページをめくってみると、意外とカラーで分かりやすそうな内容のものも多かったので、楽しかったです。
私が気になったのはこのフラッシュカードです。

Pharm Phlash! Pharmacology Flash Cards (English Edition)
- 作者: Valerie I Leek
- 出版社/メーカー: F A Davis
- 発売日: 2017/12/01
- メディア: Kindle版
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これだと楽しく医療英語が覚えられそうだな〜と思いました。
がん治療センターを見学
トロントには、プリンセスマーガレットという、がん治療センターがあります。
14階にはヒーリングガーデンといって、誰もが自由に入れる庭があると聞いて、見学してみました。
末期患者さんは、この庭で植物や花を見て、きっと癒されるんだろうなと思います。
メンタルヘルスケアの施設見学
トロントでは、年に1度、Doors Openというイベントがあり、普段は入れない多くの施設が、イベントの時だけ解放されます。
私は、CAMHという、メンタルヘルスケアの施設を見学してみました。
外来患者や入院患者のケアをしており、メンタルヘルスケアの研究もおこなわれている施設です。
英語のツアーに参加したので、なかなかガイドさんの説明を聞きとるのは難しかったのですが、施設内を見学してみると、内装にこだわっており、気分が明るくなるようにデザインに工夫がこらされていました。
中でも私が驚いたのは、こちらのデザイン。
カナダではLGBTの方々への理解が進んでおり、精神疾患を抱える人たちの中にはLGBTの方たちもいるそう。
特に右上のマークに注目していただきたいのですが、誰でも自由に使えるデザインの標識は、とっても良いアイデアですよね。
おまけ
ニューヨークへ旅行に行った時も、ふらっと入ったお店にお薬コーナーがあったので、写真を撮ってみました。
カナダと同じような品揃えですね。
まとめ
留学当時の私は、臨床経験のない薬剤師もどきでしたが、海外の医療状況や薬を知ることは、今後のキャリアを考える上でもとても為になりました。
今回の短期留学では、OTC薬をちょっと見たり、施設を簡単に見学する等、本当に表面しか医療に触れられませんでしたが、良い経験になったのは間違いありません。
ただ、日本の問題点も浮き彫りになるわけで・・・。
以前から話題になっている、「緊急避妊薬」。
カナダには簡単に手に入ると聞いていたので、試しに近所のドラッグストアに行ってみると、普通に棚に並んでいました(Plan Bという商品です)。
お値段も確か20ドルと少しくらい。
カナダでは当たり前に売られている、女性を守るための医薬品が、日本ではなかなか手に入らないという状況・・・。考えさせられるものがありました。