薬剤師mokaのいらすとブログ

iPad Proで絵を描きます。新米薬剤師です。

薬学生のうちに経験しておくべきたった1つの大切なこと

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新米薬剤師、moka(@mokapple)です。

 

今回はこれから薬学部に進学する人や、大学に入って間もない1,2年生の薬学生に向けて記事を書いて見ました。

というのも、薬の知識が浅い、「今」しか学べないことがあるからです。

学生のうちに患者さんの気持ちを学んでおこう

これから薬学生のみなさんは、薬を学んでいき、いやでも薬の事が多少なりわかるようになってきます。

そうなる前に、薬の事が全く分からない、一般消費者目線の感覚を覚えておいておくことをおすすめします。

患者さんの立場にたってみよう

市販薬がわからないイラスト

ドラッグストアに行って、陳列している市販薬を眺めてみてください。
風邪薬だけでも色々な種類があって、なにがなんだかわからない状態だと思います。

 

このわからない状態から、どのような情報をもらえば、自分に合う薬を見つけられるでしょうか?

 

それが「一般のお客さん」が欲しい情報です。

 

今後、大学で薬学を学び、薬剤師として働くつもりなのであれば、相手にするのは「薬のことをよく知らない患者さん」であることが多くなります。

大学の授業では、薬の作用機序や、専門用語などたくさん知識を頭に詰め込んでいきますが、患者さんが欲しい情報はそれではありません。

 

知識をひけらかすのではなく、それらの薬学的知識を、どう患者さんの治療に生かしていくかが重要です。

 

一般消費者の感覚に近い今こそ、患者さんが何を薬剤師に求めているのか、それを学生の今のうちに知っておくことは、今後の為になります。

薬局で服薬指導を受けてみよう

学生のうちに、病院に行く機会はあまりないかもしれませんが、薬の知識があまりない今だからこそ、患者として、服薬指導を経験してみてください。

 

患者側の自分がどんな気持ちか、どういう風に薬剤師に接してほしいか、その感覚を覚えておきましょう。

 

私は、1年生のころに、抗生物質で副作用症状があらわれてしまい、その名前を控えていたのですが、すっかり忘れてしまい、薬剤師に相談したことがあります。

その時に、飲み方や特徴を話すと、薬の名前をすぐ教えてくれて、「やっぱりすごいな」と思った記憶があります。
薬剤師になった今だと、「知ってて当たり前」という感覚の方が強くて、そういった気持ちはもはや抱けなくなっているんですよね・・・。

 

4年次になると受けるOSCE試験では、とことん薬剤師側の立場として、患者さんにどのように服薬指導すべきかを叩き込まれるので、薬の知識を全く持ち合わせていない患者さんにとって、どのような説明や対応が適切か考えておくことは、この試験を乗り越えるためにも大切です。

ドラッグストアでバイトしてみよう

私は2年次にドラッグストアでアルバイトしていた経験があります。

当時は薬のことを勉強したかったから、という理由で応募したのですが、今になって振り返ってみると、「消費者目線」を学ぶことができたいい機会だったと感じています。

 

2年生だった当時は、ほぼ薬の知識はなく、一般教養を終えたただの大学生でした。

棚に陳列されている薬の箱を手にとって、成分を見ても、何のことだかまったくわかりません。
何の薬を買えばいいかわからない、何が違うのかわからない、という感覚を身につけることができました。

 

薬剤師になると、ドラッグストアの薬って成分を見ればだいたい何かわかるようになってしまっている為、そういう感覚がうすれてしまうのです。

他にも、ドラッグストアでバイトをしていると、自分の知識が増えていく過程を自覚することができるというおまけがついてきます。

 

私は薬学を学んでいくにつれて、胃薬コーナーに売られている「H2ブロッカー」という薬が、なんでH2という名前なのか理解できるようになったりして、当時は感動しながらバイトしていました。

薬局の奥で薬剤師って何してるの?

私は現在、薬局薬剤師として働いているのですが、転職するついこの前まで薬剤師って薬局の奥で何しているの?状態でした。

前まで一般企業で働いていたので、薬剤師が何してるか全然知らなかったんです。学生の皆さんも、おそらくこんな感じなんでしょうか。

 

という訳で、今後の参考までに、薬局薬剤師の仕事内容について、新人薬剤師目線から、ちょっと話してみたいと思います。

学生時代は薬局嫌いだった

私にとって、薬局は、めんどくさい場所でしかありませんでした。
病院に行った後、わざわざ薬局に寄って、薬を受け取りに行くのが、すごくめんどくさく感じていたんです。

私が医者にかかるのは風邪か花粉症の時くらいなのですが、そんな年に数回のことでさえ、薬局に行くのって、面倒。いっそのこと病院で一緒に薬も出してくれたらどれだけ楽か、とよく思っていました。


6年間勉強して薬学部を出てもこんな状態なので、患者さんが、「薬はたったの1つ2つなのに、薬局で長いこと待たされる」「薬剤師が窓口でいちいち色々聞いてくるのが面倒くさい」っていう気持ちになるのはすごく共感できるんです。

薬局薬剤師になって思った事

患者側の立場だった時に「なんでやたらと症状について色々聞いてくるんだ!」と思っていたのですが、薬剤師側としては、「本当にこの人にこの薬であっているか」って確認する作業はとても大切なんですよね。

 

薬って、どんな薬でも副作用はあるし、100%安全な薬ってないんですよ。
間違った薬を飲んだりしてしまったら、下手したら命にもかかわるし、リスクを伴うものなんです。

 

使用する際にリスクを伴うもの、例えばお酒、タバコ等も、店側が、商品を購入する客が、果たしてこの商品を使用しても大丈夫なのか(この場合は成人しているか)確認する義務がありますよね。

そんな、誰にでも売ってOK!な商品ではない、使うのは限られた人でなければいけないような物を売るときに、黙ってハイハイどうぞ、とは言えないわけなんです。

糖尿病の薬、心臓のお薬、風邪薬でさえも、使用に適さない人に渡してしまったら、最悪相手の命を奪う事になりかねない。


だから、薬ができた後、カウンターで、「あなたは本当にこの薬を使っても大丈夫な人か」「症状はどのくらいなのか」きちんと確認したいわけなんです。

せめて処方箋に、疾患名とか、検査値とか、書いてくれてたら良いのに、薬の名前しか書いてないんです。なんでやねん。

 

薬局と病院が別れていることをわかっていなくて、病院で医者に言った内容が薬局に伝わっている、って思っている患者さんも多い様で、なんで薬局でも、もう1度説明しなきゃいけないんだ!って怒る人もいます。

 

患者の時、薬局嫌いだった自分と、薬局で薬剤師として働いてみて、気持ちが少しわかった新米薬剤師としての自分。
このギャップを埋めて、薬局=めんどくさいところ、というイメージをなくしたいなぁ、と思わずにはいられないです。

患者さんの感覚がわかる最後の時期

大学1,2年次は、おそらく患者さんの感覚に一番近い立場でいられる最後の時期でしょう。

1度物事を理解してしまうと、それが「わからなかった」時の感覚に戻ることは難しいと思います。

 

小学生、中学生に、「なんでこんなこともわからないの?」って思ってしまうことって、ありますよね。当時は自分もわからなかったはずなのに、それを忘れてしまっているだけなのに。

 

「薬のことがわからない」状態のうちに、意識して、薬がわからないってこんな気持ちなんだ、ということを覚えておくことで、将来はより、患者さんの立場になって物事を考えられる薬剤師になれるでしょう。